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【福井新聞】論説:過去を検証し防災・減災へ 港湾の津波対策

2011年3月11日に発生した東日本大震災での津波の脅威は、いまだにその恐怖が薄れることはありません。

東日本大震災では防潮堤が倒壊し、避難指定先で被災した犠牲者もいました。大震災を踏まえ、国は「港湾における総合的な津波対策のあり方」の中間方針を取りまとめました。港湾の防災・減災対策を策定が進み始めています。

原発銀座として、全国から津波対策への注目が集まる福井県での取り組みについて、福井新聞の論説記事が公開されています。



過去を検証し防災・減災へ 港湾の津波対策 論説 福井のニュース :福井新聞

 福井県内の海岸線は総延長約415キロ。福井、敦賀、小浜(内浦)の重点港湾などのほか漁港も45あるが、これまで津波を想定した対策は考えられていない。太平洋側に比べ日本海側の津波の発生は少なく、被害も軽かったことに起因するのだろう。

 日本海側の多くの港湾は浸水規模を示すハザードマップ作成も少ない。県内でも防災対策は高波、高潮を対象に数十メートル沖合の離岸堤や居住区側への浸水を防ぐ護岸堤の建設工事が主体だ。護岸堤の高さも水面上4・5メートルが標準という。

 大震災での津波の破壊力はすさまじく、防波堤(防潮堤)の想定設計力、避難計画などを定めた地域防災計画の想定を大きく上回り、根底から見直しを迫られた。国の交通政策審議会港湾分科会防災部会では、発生頻度は低いが規模の大きい津波に対してまで、構造物で後背地を守ることは経済的に困難であり、限界があるとあらためて示している。一方、被害地域の検証から、防潮堤が完備された地域では津波高や流速の低減、遅延による避難時間の確保など効果も確認された。

津波の規模や大きさの想定は国の設定が基準となるが、複雑な海岸線を抱える県内では地域により規模が異なる、と記事では呼びかけられています。沿岸地層や堆積物調査など過去の検証も必要だ。津波の痕跡があれば対策、訓練も現実味を帯びる。港湾整備はすぐには整わないものです。段階的な浸水シミュレーションに沿った防災・減災対策が当面の主眼となるため、調査を急ぎ万一に備え訓練も忘れてはならないことも大切とのことです。


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