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【富山新聞】天正大地震を防災教訓に 北陸の被害を研究

安土桃山時代に北陸などを襲った天正大地震をライフワークとして研究している元金沢科学技術専門学校教員で石川郷土史学会員の安達正雄さん4日、同市内で開かれる研究発表会で成果を報告することが紹介されている記事です。

同地震では前田利家の弟が命を落とし、現在、原子力発電所が多数立地する若狭湾が津波に見舞われたとされ、安達さんは「現在の北陸の防災を考える上でも重要だ」として、温故知新を訴えているそうです



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 1586(天正13)年に発生した天正大地震を安達さんが初めて知ったのは、まだ幼 いころ。小矢部市出身の安達さんは、現在の高岡市福岡町にあった木舟城が同地震で倒壊 し、前田利家の末弟で城主を務めていた秀継と妻が圧死した悲劇を、同城近くの出身の母 親から昔話として聞かされて育った。

 木舟城の悲劇と同じ日に、飛騨の帰雲(かえりくも)城(現・岐阜県白川村)が天正大 地震による山崩れで埋没したことを、40年ほど前に偶然、テレビで知って驚いた。「二 つの城は相当離れているのに、同じ日に地震でやられた。どれほど大きな地震だったのか 」。以来、同地震の研究に乗り出し、両城には幾度となく足を運んだ。

 安達さんはさまざまな文献で天正大地震による建物の倒壊などを調べた。被害の大きな 場所だけでも富山、福井、岐阜、滋賀、長野、三重の各県と大阪府の14カ所に上った。

 さらに、天正大地震の津波被害に着目。当時の資料「兼見卿記(かねみきょうき)」や ポルトガル人宣教師の文書によると、若狭を大津波が襲い、建物や人に大きな被害が出た という。

安達さんによると、天正大地震が加賀や能登にもたらした被害状況の記録は乏しく、そ のことが石川県で同地震への関心がいまひとつ高まらない一因になっているという。安達 さんは「石川でも被害があったはず。北陸を襲った歴史的な巨大地震に関心を持ち、今後 の防災に役立ててほしい」と語る。

これは4日に金沢市の県立図書館で開かれる第61回県五学会連合研究発表会で「 天正大地震は巨大地震だった」と題して発表されます。石川考古学研究会、加能民俗の会、石川郷土史学会、北陸史学会、石川地理学会の主催で、各分野の研究成果が報告されるとのこと。過去の地震の興味深い研究成果が報告されるのでしょうね。


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