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【言葉】リジリエンスとは:「災害に負けない社会」を作り出す新しいキーワード

日本では、東日本大震災以降、『リジリエンス』という言葉が注目されつつあるそうです。

「災害に負けない社会」を作り出す 新しいキーワード「リジリエンス」とは?:日経ビジネスオンライン

 日本はもともと防災への関心が高い国です。特に木造建築が多いこともあって火災が多く、「防災」と「火災対策」が同義に使われることが基本的に多かった。それが1970年代に入って、将来発生が危惧される東海地震への対策が大きな関心を集め、「地震に対する防災」が注目されていったのです。これが第2世代ですね。地震という特定のハザードが確定すると、それに対して社会や組織の弱点も同時にクリアになってくる。その弱点をなくしていこうとする研究です。施設を強くすることに重きが置かれました。

この記事によると、上記のこれまでの考え方が崩れたのが2001年9月11日の同時多発テロ。その後、SARS(重症急性呼吸器症候群)や新型インフルエンザの流行で多くの人が倒れ、さらには大震災がきっかけで放射能汚染という、リスクに取り囲まれていることを、世界中の人々が認識させられました。

今までのように「災害に強い」という考え方では、とてもやっていけない。むしろ「災害に負けない」という考え方が重要となってきたそうです。そして、これが第3世代の防災研究のもととなっているとのこと。

 状況の変化に応じてリスクをいつも再評価しながら、そのなかで非常に重大なリスクについては、被害を出さないような予防対策を加えていく。しかしそれ以外のリスクの推定や予防には限界があるわけだから、それを越えたものについては回復力で乗り切っていく。

このような力を発揮する全体構造のようなものを「リジリエンス」「地域の防災力」「しなやかな社会」というそうです。社会の全体のことを考えると、自分たちの生活とは無縁のように感じます。でも、もしもの場合、何を継続すべきか(何を守っていくのか)、どうやって継続する(守るのか)、それを考えることからリジリエンスを理解することができるのかしら、と思いました。


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