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【産経】津波軽減に威力、防災林再生を 林野庁が予算計上へ

MSN産経ニュースにて、海岸防災林の再生についてのニュースが掲載されています。

東日本大震災では、高田松原の奇跡の一本松が有名になりましたが、太平洋沿岸の海岸防災林が甚大な被害を受けました。この林を再生し、機能強化を図る動きが本格化しているそうです。

津波軽減に威力、防災林再生を 林野庁が予算計上へ+(1/2ページ) – MSN産経ニュース

 海岸防災林はもともと、高潮や砂、風の被害から沿岸地域を守るため整備が進められてきた。それが今回の震災では、津波エネルギーの減衰や到達時間の遅延、漂流物を捕捉する役目を果たしたことも分かってきた。

 高さ6メートルを超える津波に襲われた青森県八戸市市川町では、20隻を超える船が防災林をなぎ倒したが、林に阻まれて住宅地への侵入は防げた。9メートルを超える津波に見舞われた宮城県仙台市若林区では、防災林背後に建っていた家が流出を免れるなど、防災林が津波被害を軽減したとみられるケースが多数あった。

林野庁は防災林が津波被害を抑える効果があることに着目し、震災復興の一環として、防災林の再生関連費を予算計上し、防災林再生を後押しする方針とのこと。仮に7メートルの津波が流入した場合、防災林があれば、津波の速度は半分程度に減速されるというシミュレーション結果も出ているそうです。

 すでに機能強化策として、倒木、流失を防ぐため、海岸沿いに高さ5メートル前後の盛り土を行い、植樹することで根を深く定着させる方法などが検討されているそうです。しかし、津波エネルギーの減衰効果を出すためには、林帯幅は少なくとも50メートル程度以上が必要で、可能であれば200メートル以上にしたい考えとのことですので、かなり大規模な林になりそうです。

 これまでは潮害に強いクロマツが中心でしたが「海岸手前には津波をせき止める背の低い木を植え、さらに奥に、フィルターの役割を果たす広葉樹など背の高い木を植えるといった構成も考えられる」(同庁治山課)とも。これからの海岸線の景観美を兼ね備え、観光客にも喜ばれるような、見事な防災林が再生されることが期待されます。


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