【日経】みやぎ生協、防災対策を強化 飲料水工場に井戸

みやぎ生活協同組合(仙台市)は東日本大震災の経験を踏まえた防災対策の強化が報道されています。

大きな災害が発生した場合のライフライン断絶時への備えとして、宅配用飲料水の製造工場に井戸を新設し、物流センターに燃料を備蓄するガソリンタンクと自家発電機を設ける計画とのこと。非常時の事業継続計画(BCP)作りも進めており、災害時も必要な食料品などを安定供給できる体制を早急に整えるそうです。

みやぎ生協、防災対策を強化 飲料水工場に井戸  :日本経済新聞

 井戸を掘る計画を立てているのは「アクアクララ」のブランドで展開している宅配用飲料水の製造工場(宮城県富谷町)。井戸が完成した後は、くみ上げた地下水を宅配用水の原料に使う。災害で断水した際は、そのまま飲料水として使用する考えだ。現在は水道水をろ過して不純物を取り除き、カルシウムなど4種類のミネラルを加えて飲料水を製造している。

 2007年から宅配水最大手のアクアクララ(東京・港)のフランチャイズチェーン(FC)として同事業を始めている。震災以降、安全な水を確保する需要が高まり、利用者数は好調に推移しているという。同工場の現在の生産量は、12リットル入りボトルが1日1400本。

 9月に稼働したコープ富谷共同購入物流センター(宮城県富谷町)の敷地内には、ガソリンタンクと自家発電機を設ける。今回の震災直後の燃料不足を教訓として、ガソリンタンクには常時一定量の燃料をためておき、普段は職員が使用できるようにする。

また、コープ富谷共同購入物流センターの冷凍倉庫と、震災で損壊したため建て替える本部には、自家発電機を備える予定とのこと。

 みやぎ生協は今月中をめどに非常時の事業継続計画(BCP)をまとめる計画となっているそうです。東日本大震災店舗が損傷してレジが使えないといった状況の中で各店長が独自の判断で買い物客や避難所からの依頼に対応した経験から、緊急時の職員の動き方や店舗での商品の売り方のルールを決めておくことで、無用な混乱を避けて食料品などの供給を継続できるようにするそうです。

非常時の水・食料の供給ができるだけ安定して継続できる準備を企業も進めてくれていれば、被災直後の混乱が少しでも抑えられることでしょう。このような取り組みが、さらに広まっていくことを期待しています。

【日経】自治体、富士山噴火に危機感 防災 静岡の模索

日本経済新聞で、富士山噴火に関する防災についての静岡での取り組みを紹介した記事が掲載されています。

自治体、富士山噴火に危機感 防災 静岡の模索(上)  :日本経済新聞

 東日本大震災の発生以降、万が一の富士山噴火に備える動きが広がっている。富士山を世界文化遺産に登録する動きが進むのに伴い、登山事故などへの危機管理のあり方も課題になってきた。第3部では「ふじのくに」静岡の象徴である富士山を巡る災害への対策や課題などを探った。

 9月2日、富士山を間近に望む静岡県御殿場市の市民交流センターを会場に、県東部20市町で構成する東部ブロック市町社会福祉協議会は「富士山噴火」をテーマに火山専門家による講演会を開いた。

 「1960年、2010年のチリ地震ではいずれも同国内の火山噴火が誘発された。東日本大震災や東海地震のような規模の地震が起きれば、富士山も同様の事が起きる可能性は否定できない」。専門家の解説に市民は熱心に聞き入った。

講演会を準備した御殿場市社会福祉協議会の土屋俊光事務局長によると、東日本大震災の被災地の現状を知り、御殿場市社協は東海地震や津波などに備えたボランティアセンターの運営マニュアルを確認したところ、富士山噴火による被害に全く触れていないことに改めて気付いたということです。

麓の町に火山弾が降り注ぐ中で避難しなければならない状況を想像すると、非常に恐怖を感じます。地震・津波への心構えはしっかりしていそうなイメージのある静岡県ですが、富士山噴火への備えはどうなっているのか、これからどうしようとしているのか、この連載をじっくりお読みください。

【日本経済新聞】社説:民間の力も借りて巨大津波の「減災」を

日経新聞の社説で、民間の力を活用した巨大津波にたいする「減災」の活動について、掲載されています。

民間の力も借りて巨大津波の「減災」を  :日本経済新聞

 津波で多数の人命が失われた東日本大震災の教訓をどう生かすか。中央防災会議の専門調査会が「あらゆる可能性を考慮し、最大級の地震・津波」を想定した対策づくりを提言した。地震の発生確率など予測を重視してきたこれまでの防災計画からの転換である。

 大地震や津波に対して、今の科学では大まかな時期や規模を予測するのさえ難しい。備えを厚くし、不意打ちされても被害を抑える減災が基本だ。そこで「最大級」を前提とするのは、リスクと向き合ううえで当然である。国や自治体はこれを指針に防災計画の見直しを急ぐべきだ。

中央防災会議の専門調査会の報告を受けたもので、今後の取り組みを具体的に求めたものになっています。

また、古文書の分析などから、東海・東南海・南海地震で津波を警戒すべき地域でも、過去に大津波が襲った地域が洗い出される可能性もあるとしています。

災害に強いまちづくりには年月がかかります。官民が危機感をもって防災計画の見直しを急ぐべき、という提言には賛成できます。ぜひ、早急な取り組みをお願いします。

【報道】中央防災会議、古文書も参考に – 日本経済新聞

地震、津波対策の見直しを議論している政府の中央防災会議の専門調査会では、古文書に記述があるような大地震も考慮に入れて、最大クラスの地震・津波に備えた対策を検討することにしたそうです。2011年9月28日の報道です。

巨大地震、古文書も参考に対策見直し 中央防災会議  :日本経済新聞

 東日本大震災を教訓として地震、津波対策の見直しを議論している政府の中央防災会議の専門調査会(座長・河田恵昭関西大学教授)は28日、災害対策法制を含め、地震、津波対策の抜本的な見直しを求める最終報告をまとめた。政府は今後、報告書を基に国の防災基本計画の見直しや、東海、東南海、南海の3連動地震など南海トラフの巨大地震の再検討を進める。

貞観地震など、古文書に記述があるのにデータが乏しい地震を想定から除外していたものをあらため、最大クラスの地震や津波に備え、減災」の考えに基づき、被害の最小化を主眼とするまちづくりをめざすとのこと。ハード対策とソフト対策の両面をすすめ、津波到達時間が短い地域では5分程度で避難できることを目指すそうです。

【アンケート】全国紙5社による防災の日にちなんだ防災や行動についての意識調査

大手新聞5社の購読者を対象に、防災の日に合わせた共同調査の集計結果が公表されています。調査は、新聞広告共通調査プラットフォーム「J-MONITOR(ジェイ・モニター)」と使って行われ、回答者は首都圏と近畿圏合わせて1,941人とのこと。

9割が東日本大震災以降に防災意識を高めた 新聞広告共通調査プラットフォーム「J-MONITOR」で5紙共同調査 | J-MONITOR

朝日新聞社(東京都中央区築地5-3-2)、産経新聞社(東京都千代田区大手町1-7-2)、日本経済新聞社(東京都千代田区大手町1-3-7)、毎日新聞社(東京都千代田区一ツ橋1-1-1)、読売新聞社(東京都中央区銀座6-17-1)の全国紙5社は、各紙の購読者を対象に防災の日に合わせて共同調査を行い、防災意識や行動について、また東日本大震災から半年時点での企業の被災地支援についての意識などを調べました。

東日本大震災以降、防災意識が高まったという回答者が9割、しかし、食料の備蓄や緊急時の連絡先確認を実際に行っているのが4割と、これは以前よりも高くなっているのかもしれませんが、防災意識が高まった割には、災害に備えている人の割合はまだまだ低いのではないかと感じました。

調査報告書は上記のページからPDF形式でダウンロードできます。