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【中日新聞】福井の原発群「地震想定、不十分」 野洲でシンポ

滋賀弁護士会が野洲市小篠原の野洲文化小劇場で開いた11月26日のシンポジウム「湖国で考えるこれからのエネルギー」で講演された内容や議論について報道されています。



中日新聞:福井の原発群「地震想定、不十分」 野洲でシンポ:滋賀(CHUNICHI Web)

 第1部では、自然災害と原発事故が複合して起きる「原発震災」の危険を指摘してきた石橋克彦・神戸大名誉教授が登壇。過去に発生した地震やプレートの動き方などから福井県の若狭湾一帯を「地震活動帯」と紹介し、「原発を襲う地震の想定が不十分」「若狭湾にも大津波はあったのに、津波の想定が甘い」と指摘した。
 大地震で大規模放射能放出事故が起きた場合には「琵琶湖の水が汚染され、京阪神の水は飲めなくなる」と警告。被害が広域にわたり深刻な被害をもたらす危険性を示した上で「一番怖い浜岡原発がとりあえず止まった現在、本当に怖いのは若狭湾」と述べた。
 金属材料学の専門家の井野博満東京大名誉教授は、原発の寿命は40年ほどで、金属材料の劣化原因や劣化による事故例を説明し「関西は老朽化原発の先進地」と語った。福井県敦賀市の敦賀1号機や同県美浜町の美浜1号機が40年を超えて運転し、30年超の原発も福井県内に集中していることも示した。
 第2部では、定光裕樹・資源エネルギー庁総合政策課戦略企画室長、佐和隆光滋賀大学長らがエネルギー政策でパネル討論した。
 佐和学長が「今年の夏に我々が分かったことは、原発なしでもやっていけるのではないかということ。節電はまだまだできる」と強調。定光室長は「製造業では安定供給など電力の質を重視している」と指摘した。

シンポジウムの終幕で引用された被災者の言葉「毎日、何げなく差し込むコンセントの向こう側を想像してください。その先に原発があるのです」が非常に重く伝わります。結びの「無意識に電力を使い続けてきた一人一人が、しっかり考えていくことが大切だ」という言葉、一人一人が受け止めなければならないことです。


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