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【岩手日報】岩手県8市町村で非公表 津波浸水シミュレーション

岩手県で、東日本大震災で被災した沿岸12市町村のうち8市町村で、復興計画の策定段階で住民に対し津波の浸水シミュレーションが公表されていないことが報道されています。



本県8市町村で非公表 津波浸水シミュレーション

 東日本大震災で被災した本県沿岸12市町村のうち8市町村で、復興計画の策定段階で住民に対し津波の浸水シミュレーションが公表されていないことが分かった。県は市町村に対し、公表に慎重な判断を求めているが、浸水域の再利用を目指す地域では、新たな防潮堤の効果など安全性の根拠が十分示されないことに住民から不安の声が上がる。二度と津波の犠牲者を出さないまちづくりに向け情報公開の在り方が問われている。

 陸前高田市高田町の自宅が流失した男性(72)は、同市米崎町の仮設住宅で暮らしながら元の土地での住宅再建を願う。市が公表した復興計画素案では、この男性の土地は再び住宅地となる。喜びの一方で「安全と言われても、また津波が来たらと思うと怖い」と、安全性の根拠の提示を求める。

 中心市街地が壊滅した同市は、被災した約2千戸全てを高台移転するのは困難と判断。12・5メートルの防潮堤と5メートルの地盤かさ上げなどで安全を確保し、浸水した土地の一部を再び住宅地とする考えだ。

 市は住民説明会で「県のシミュレーションでは、今回並みの津波が来ても安全が確保できる」と説明したが、シミュレーションは示さなかった。

 戸羽太市長は「なぜ県が公表しないのか分からない。安全性の根拠を示す必要がある」とし、公表に向け県と調整を図る方針だ。

公表が投機的な土地買収などの不利益を招く恐れもあるとの考え方もあるようですが、復興に向け今後のまちづくりに多くの方の納得が必要な中、不十分な情報開示では、計画に不信感が残るままではないでしょうか。


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