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【河北新報】慶長地震津波発生メカニズム「境界+海溝外側」型か

宮城県仙台市で12月2日に開催された「慶長地震津波400年シンポジウム」にて、東日本大震災の大津波と同規模だったとされる1611(慶長16)年の慶長地震による津波は、仙台湾沖のプレート境界型地震とそれに伴う三陸沖での「アウターライズ(海溝外側)地震」によって生じた可能性が高いとする研究結果が2日、発表され、慶長地震については、北海道東部の千島海溝周辺を震源とする説があるが、否定的な見解が示されたことが報じられています。



河北新報ニュース 慶長地震津波発生メカニズム「境界+海溝外側」型か

 仙台市で同日開かれた「慶長地震津波400年シンポジウム」で、今井健太郎東北大災害制御研究センター助教や都司嘉宣東京大地震研究所准教授らが報告した。
 プレート境界型地震は、陸のプレートの下に海側のプレートが沈み込む境界面で起きる。アウターライズ地震は、境界型地震が発生した後、境界面より外側の地域で発生する。海側のプレートに引き延ばそうとする力が働き、プレートが内部で壊れ、正断層型の地震が起きる。
 今井助教によると、プレート境界型地震が午前8~10時ごろ、宮城県沖で起きた後、正断層型のアウターライズ地震が午後2時ごろ、三陸沖で発生した可能性があるという。
 今井助教は、津波の痕跡高から津波のモデルを想定。「午後の正断層型の地震で三陸沿岸の津波は説明できるが、仙台湾沿岸の津波は説明できない。仙台に押し寄せた津波は午前の地震で起きた」と指摘する。
 都司准教授も当時の文献などから「1回目の地震が午前9時ごろに発生し、江戸や仙台で震度4を記録した」とする。
 都司准教授は文献から、三陸などで午後2時ごろ、住民が聞いたとする音に注目。アウターライズ地震はプレート内部が壊れて音がするのが特徴で、昭和三陸地震(1933年)も同様な音が聞こえたという。
 都司准教授は「宮古では音や揺れの30分後に大津波が到達しており、北海道沖の震源は考えにくい」と話した。

過去の地震のメカニズムが解明により、今後の防災・減災につながります。
詳細な研究結果を期待しています。


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